「全員売りたい」のになぜ数年間も塩漬けになったのか?

一般の不動産仲介会社が敬遠しがちな”感情のもつれ”を紐解き、高値売却へ

相続不動産の売却において、最大の障害が「売却価格」ではないこともあります。
意外に思われるかもしれませんが、「共有者全員が『売りたい』と思っているのに、誰が主導するかというプライドや過去の不満が邪魔をして、数年間も塩漬け」というケースは実務上非常に多く存在します。

今回は、顧問先様の共有不動産についてご相談いただいた税理士の先生と連携し、通常の不動産仲介では踏み込みにくい「複雑な人間関係の紐解き」から高値売却、引渡しまでをワンストップで支援した事例をご紹介します。

1.ご相談の背景:ゴールは同じなのに、話が前に進まない

対象となったのは、相続により親族数名で共有していた空家です。
相続発生から数年が経過しており、共有者全員が「早く売却して現金化したい」という意思を持っていました。

しかし、過去に一部の共有者が独断で話を進めようとした経緯があり、
「売りたいが、あの人の主導で進むのは納得がいかない」
「業者任せにして安く買いたたかれるのではないか」
といった不信感が蔓延。

全員の足並みが揃わず、完全に塩漬け状態となっていました。

税理士の先生としても、特定空家への指定リスクや将来的な二次相続による権利の細分化を危惧し、早期の解決を望まれてのご相談でした。

2.解決の糸口:「不動産の査定」の前に「感情の査定」を行う

一般的な不動産売却であれば、「いくらで売れます」という査定書を出して終わるところですが、本件のポイントは価格ではありません。

当社はまず、各共有者様と「個別」に面談を実施しました。

これまでの経緯や不満を丁寧にヒアリングした結果、最も態度を硬化させていた共有者様を「説得の対象」とするのではなく、「プロジェクトのキーパーソン」として尊重し、顔を立てて中心に据えるご提案をしました。

通常の仲介業務では敬遠されがちな「泥臭い交通整理」を第三者である弊社が担うことで、「自分の意見が尊重されている」という安心感が生まれ、数年ぶりに全員が同じ方向を向いて動き出しました。

3.売却戦略:透明性と納得感を生む「事業者入札方式」

「業者に騙されているのではないか」という共有者間の疑心暗鬼を払拭するため、一般的な売出しではなく、複数の不動産事業者に条件提示を求める「入札方式」を採用しました。

土地の利用可能性(戸建分譲・共同住宅など)を適切に評価できる事業者に競争してもらうことで最高値を引き出しつつ、「なぜこの価格なのか」「なぜこの買主なのか」という客観的なプロセスを共有者全員に開示。

これにより、全員が心から納得したうえで売買契約を締結することができました。

4.現場実務の代行:敬遠されがちな「境界・近隣対応」も完遂

売買契約後、「境界付近の工作物」をめぐり、隣地所有者との調整が必要となりました。

こうした「手間と時間がかかる近隣トラブルの火種」は、弊社が矢面に立って現場に足を運び、関係者と粘り強く協議を重ねることで、引渡しに支障のない状態まで実務を完遂しました。

5.結末:共有者間の緊張が解けた「穏やかな引渡し」

決済当日は共有者全員がそろい、無事に決済引渡しを完了しました。

数年間、意見の対立で塩漬けになっていた不動産でしたが、完了後、皆様の表情が非常に穏やかだったことが印象的でした。

不動産の整理が進んだことで、親族間にあった緊張感も和らいだように感じられました。

税理士の先生方へ:「関係者が揉めている段階」からご相談ください

「共有者全員の意見が一致したら、また連絡してください」

一般の不動産仲介会社では、こうした複雑な案件を入り口で断るか、後回しにしてしまう傾向があります。

しかし、税理士の先生方が本当に助けを求めているのは、「意見がまとまらない、その手前の泥臭い調整段階」ではないでしょうか。

当社では、税理士の先生方と連携し、不動産実務面を全面的にバックアップいたします。

【役割分担】

税理士の先生: 税務判断、特例適用の検討、申告業務、納税資金のアドバイス
当社(不動産): 感情面を含めた関係調整、売却スキーム構築、入札実施、測量・近隣対応、引渡し実務

「売りたいけれど話が進まない」「隣地との境界で揉めそう」といった、一筋縄ではいかない相続不動産・空家問題がありましたら、ぜひ早期の段階で当社にご相談ください。

先生は税務に専念いただき、不動産実務は当社が確実に実行いたします。

※本事例は、実際のご相談をもとに、顧客のプライバシー保護のため内容を一部加工・編集して掲載しております。

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